ニトリルゴム!高性能シール材として自動車部品に大活躍?

 ニトリルゴム!高性能シール材として自動車部品に大活躍?

ニトリルゴム、その名はいかにも化学物質らしい響きですが、私たちの日常生活には密接に関わっています。特に自動車の世界では、その優れた耐油性と耐熱性から、さまざまな部品に使用されています。今回は、このニトリルゴムについて、その特性や用途、製造方法まで詳しく解説していきます。

ニトリルゴムとは?

ニトリルゴムは、ブタジエンゴムにアクリロニトリルを付加重合させた合成ゴムです。アクリロニトリルの含有量によって、硬度や耐油性などが変化するため、用途に合わせて様々なグレードが存在します。一般的には、黒色または青色の外観を持ち、柔軟性に富んでいますが、他のゴムに比べて耐摩耗性が低めなのが特徴です。

ニトリルゴムの優れた特性

ニトリルゴムが自動車部品に広く採用されている理由は、以下の優れた特性を有しているからです。

  • 優れた耐油性: ニトリルゴムは、油や燃料、グリースなどの影響を受けにくいため、エンジンオイルシールや燃料ホースなど、油に触れる部品に最適です。
  • 高い耐熱性: 100℃以上の高温環境でも安定した性能を発揮するため、エンジンの冷却水ホースや排気ガス系部品にも使用されます。
  • 耐摩耗性: 他のゴムに比べると劣りますが、適切な配合や加工によって、ある程度の耐摩耗性を確保できます。
  • 耐薬品性: 多くの化学物質に対して耐性があるため、ブレーキフルードなどの特殊な液体に触れる部品にも使用できます。

これらの特性により、ニトリルゴムは自動車部品以外にも、医療機器の部品、食品包装材、工業用ホースなど、幅広い分野で活用されています。

ニトリルゴムの用途例

用途 部品例
エンジン部品 オイルシール、燃料ホース、ガスケット
シャーシ部品 ブッシュ、マウント
車体部品 ドアパッキン、ウインドウシーリング

ニトリルゴムの製造方法

ニトリルゴムは、主に以下の手順で製造されます。

  1. 原料の混合: ブタジエンゴム、アクリロニトリル、触媒などを適切な割合で混ぜ合わせます。
  2. 重合: 混合物を加熱し、重合反応を起こしてゴムを生成します。
  3. 練り: 生成されたゴムを練機で練り、均一化します。
  4. 加硫: 加硫剤を加えて加熱することで、ゴムの強度や弾力性を高めます。
  5. 成形: 練られたゴムを金型に注入して、必要な形状に成形します。

製造工程では、原料の配合比や加硫条件などを調整することで、最終製品の特性を制御することができます。

ニトリルゴムの将来性

自動車産業は、燃費向上や環境負荷低減に向けた取り組みを加速させています。そのため、ニトリルゴムの軽量化やリサイクル技術開発が進められています。また、電気自動車の普及に伴い、耐電圧性の高いニトリルゴムの需要も高まると予想されています。

ニトリルゴムは、その優れた特性と多様性により、今後も様々な分野で活躍していくことが期待されます。